「太陽と月の大地」書籍情報
対象
中学生
出版社
福音館書店
著者名
コンチャ・ロペス=ナルバエス
翻訳者
松本里美
絵
宇野和美
本体価格(税別)
1,600円
ページ数
184ページ
ISBN10
4834081621
ISBN13
978-4-8340-8162-6
「太陽と月の大地」あらすじ
16世紀のスペインのグラナダ。キリスト教の支配力が強く、イスラム教徒たちはキリスト教に改宗するかスペインを去るかを迫られ、やむなく改宗させられたイスラム教徒は「モリスコ」と呼ばれ差別されていました。モリスコの人々は、改宗後もひそかにイスラム教を信仰したりすることも多く、キリスト教の人々はモリスコの人々が本当にキリスト教に改宗しているのか怪しんでいました。
モスリコであるディエゴは、伯爵家であるゴンサロと仲が良く、家族同士の仲良くしていましたが、ある時、ディエゴの孫ミゲルが、モスリコの人間を助けるためにキリスト教徒を殺害してしまいます。
ゴンサロの孫のマリアは、ディエゴのもう一人の孫であるエルナンドと恋仲になります。そんなさなか、イスラム教に関する習慣を禁止する命令が国内に発表され、キリスト教とイスラム教(+モリスコ)を信じる人たちの間で緊張が高まり、戦いへと発展します。
16世紀に起こった「モリスコ追放」といった問題の中で、民族・宗教間の争いの間で翻弄された人々を描いていた作品です。
「太陽と月の大地」読書感想文の書き方指針
やや登場人物が多く、名前もカタカナで長いので、誰の話をしているのか分かりにくいです。ただ、内容は本当にあった歴史的な対立をもとにし、考え方の違いだけで引き裂かれてしまう人々のお話になっており、深く考えさせられる作品であることには間違いありません。
- キリスト教とイスラム教を交えた物語の背景のまとめ
- ディエゴとゴンサロ、マリアとエルナンド、ミゲルそれぞれの相手に対する考え方
- この作品と同じようなことが過去だけでなく、現代にもあり、それについてどう思うか(日本のキリスト教禁止令(伴天連追放令)、現代の移民問題、イスラム教過激派組織など)
- このような悲劇を生まないために、どのようなことを考え行動していかなければならないと思ったか
作品を読んだうえで、自身で上記のような内容を調べ考えることで良い読書感想文に仕上げることができます。ぜひ取り組んでほしいと思います。
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