いのちは贈りもの:ホロコーストを生きのびて(原題:UNE PETITE FILLE PRIVILÉGIÉE)
あらすじ:筆者であるフランシーン・クリストフが6歳だった1939年から12歳になる1945年までフランス在住のユダヤ人というだけで、母とともにナチスドイツに連行され収容所に収監されてしまいます。父は軍人で戦争捕虜となり離れ離れの生活ではありましたが、戦争捕虜の家族はジュネーブ条約に守られていたため、拷問などを受けず、他のユダヤ人とは少しだけではあるがマシな生活が送れました。筆者が収監されてから解放されるまでの6年間、離れた父を思い解放されることだけを祈って母と共に過ごした戦争体験を綴った作品です。ユダヤ人ーナチスドイツ、と聞くと重苦しい作品で読むことすら憚られるものですが、明るく希望を持った作者の気持ちが文章に表れており、確かに残酷なシーンもあるものの読みやすい作品といえるかと思います。