「ぼくとベルさん:友だちは発明王」書籍情報
対象
小学校高学年(5・6年生)
出版社
PHP研究所
著者名
フィリップ・ロイ
翻訳者
櫛田理絵
絵
―
本体価格(税別)
1,400円
ページ数
222ページ
ISBN10
9784569786230
ISBN13
978-4569786230
「ぼくとベルさん:友だちは発明王」あらすじ
ハンディキャップを背負いながらも自分の長所を活かして努力する一人の男の子のお話です。親として、一人の人間として読んでほしいイチオシの作品です。
1908年のお話。10歳の主人公エディはバデック(カナダ・ノバスコシア州)に農業をしている両親と、年の近い姉、弟と暮らしていました。
ある時、電話を発明したことで知られるグラハム・ベルが町に帰ってくるとの知らせがありました。
その知らせの手紙には、ベルは八時に町に到着するとあり、そのことを知り合いのおじさんから教わります。父に伝えるためにエディは「八時」とメモをとるのですが、文字が思い浮かばない。結局メモが書けなかったことで、何時に到着するかわからず父からエディはひどく怒られてしまいます。
自分はどういうわけか文字が書けない。読むこともむずかしい。どうして学校の友達は、簡単に読んだり書いたりできるのだろう、自分はどうしてできないのだろう、と悩みます。
エディは生まれつき文字を読んだり書いたりすることがむずかしいということがわかったのです。
学校の友達はそれを知ると、自分よりも賢くないのにエディを冷やかします。それが悔しくてしかたありませんでした。
このまま何も変わらないとあきらめていた時、偶然、かの有名なベルと出会います。その出会いがエディの気持ちや行動を変えていくことになります。
「ぼくとベルさん:友だちは発明王」読書感想文の書き方指針
主人公はディスレクシアという、文字と音を結びつけるのが難しい学習障害をもっていました。そのようなハンディキャップがなぜ自分にあるのか、悩みます。ただ、数学について非常にすぐれた能力をもっていることがわかり、ベルはそのことを見いだし、励まします。
思春期には「自分はどうしてこんなこともできないのか」と悩むことがありますが、そういった悩みを打ち明ける友達(ベル)ができたことで、変わることができるんだと気づかされる作品です。ぜひ読んでもらいたい文章です。
- 文字の読み書きがむずかしいと知ってしまった時のエディの気持ち
- エディが読み書きできないことを知ってしまった父の態度が、最後にはどうかわっていくのか
- 自分の得意なところ(数学)をいかせることができたときのエディの気持ち
以上のポイントを整理すれば感想文がうまくまとまると思います。
この作品はカナダ図書館協会のbook of the yearや、多数の文学賞にもノミネートしています。
「第64回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書」にも選ばれていますので安心して読書感想を書く対象として設定できます。